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学習のヒント-コツをつかんで効率良く勉強しましょう-

学習のヒント-コツをつかんで効率良く勉強しましょう。-

夏坂 哲志(なつさか さとし)

1964年青森県に生まれる。
東京学芸大学を卒業後、青森県の公立小学校を経て、現在、筑波大学附属小学校教諭。國學院大學栃木短期大学講師、全国算数授業研究会常任理事、算数授業ICT研究会副代表、基幹学力理数授業研究会代表、学校図書教科書「小学校算数」編集委員、日本数学教育学会幹事なども務める。
著書に『新しい発展学習の展開 算数科小学校3~4年』(小学館),『数感覚をしっかり育てる「数カード」6年間活用法』(学事出版),『板書で輝く算数授業』(文溪堂),『プレミアム講座ライブ夏坂哲志の算数授業のつくり方』(東洋館出版社)等がある。

家庭学習を考える① その2
家庭学習を考える① その2

 お子様の学習の様子を見ていて、内容がきちんと理解できているのかな、正しい答えが出せなくて大丈夫かしら、と気になることもあるのではないでしょうか。ご家庭でお子様と一緒に勉強する際のヒントを、算数を通して考えてみたいと思います。

>>「家庭学習を考える① その1」はこちら

子どもが間違えた場合は、どのように接する?
・子どもが間違えた場合は、どのように接する?

 次のようなことがありました。「52枚の色紙を4人で等分します。1人分は何枚?」という問題を読んで、「52÷4=9あまり16」という式を書いた子がいました。正解(52÷4=13)を知っている大人は、なぜこのような答えを書いたのか理解に苦しみます。でも、この子の答えは、「あまりのあるわり算」の計算の仕方を忠実に守り、4の段で答えが52に一番近いのは4×9=36だから、商を9とし、52-36の答え(16)をあまりとした結果だったのです。そこで、この答えを生かしたいと考えました。
 まず、「9あまり16」という答えは、「1人に9枚ずつ配れて16枚あまっている」という状況を表していることをとらえさせました。問題がわかった男の子次に、「あまっている16枚をどうしようか」と問いかけました。その結果、「あまった16枚を、さらに1人4枚ずつ配れるから、最初に配った9枚と合わせて1人分は13枚」という答えにたどり着くことができたのです。

間違えたいと思って間違える子はいない
・間違えたいと思って間違える子はいない

 間違えたいと思って間違える子はいません。どの子も、正しい答えを出したいのです。正しい答えを出そうと思って一生懸命考えた結果、間違えることだってあるのです。その時に、「そうじゃないでしょ」「もっとよく考えなさい」と言っても、その子にとってプラスになることはありません。「どうして、そう考えたのかな?」と聞いてあげると、間違えた原因がわかってくることがあります。そうすれば、その発想を生かしながら、正解へと導くことができるでしょう。
 「こうするんでしょ」と、やり方を教えるだけでは、子どもは「どうしてそのやり方で答えが出るのか」「なぜ、間違えたのか」がわからないままに学習が進むことになります。自分で方法を考えたり、間違いを修正したりする力を育てながら、本当の意味での理解ができるようにしていくことが大切だと思います。
 大人も「わからない」と言える。そして、子どもから教えてもらうこともある。そんなふうに、一緒に考えていける関係が作れたら、子どもも考えることをもっと楽しめるようになるのではないでしょうか。

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