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　来年度から小学校で本格的に実施される新学習指導要領は、これまでの成果や反省を踏まえ、『生きる力』をより確実に身に付けられるようにするために改訂されました。「何ができるようになるか」という形で目標を明確にし、『主体的・対話的で深い学び』をテーマに授業の改善を図っていこうとしています。学習内容については、削減はせずに、課題となっている部分の見直しや、これからの時代に必要なことを加える形で改訂されています。そのなかで他の科目に先立ち、すでに新学習指導要領での取り組みが始まっている“道徳教育”は一体どのように変わったのでしょうか？

　これまでの道徳の授業でも、いじめに関することは取り上げられていましたが、「いじめは良くない」というような分かりきった答えを求めたりするような授業になりがちでした。しかし、実際に「いじめは良くない」ということは子どもたちも分かっていることであり、その上で起きている現実のいじめ問題に対応できているとは言えませんでした。
　そこで、今回の改訂では「考え、議論する道徳」をテーマに、正解を見つけ出す授業ではなく、様々な課題に対して「自分ならどうするか」と考えながら、他者と議論することを通じて、自分の見方・考え方を深めていくことができるような授業を目指しています。違う意見も含めそれぞれを認め合い、目の前の問題を自分のこととして考えることで、いじめを未然に防ぐことや、発生したときに解決する力を養っていこうとしているのです。